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大阪市版「豊洲問題」、ズサンな市役所の実態

・とんでもないことが明らかに

これまでの東京都庁のデタラメな行政運営の象徴が「豊洲市場移転問題」である。大阪市役所にも、この問題に劣らないくらい大きな問題が発生している。「市民病院跡地問題」である。両者に共通するのは、デタラメな行政が住民に大損害を与えているということだ。

この3月に、大阪市では、とんでもないことが明らかになった。ごく簡潔に、この問題の経緯を説明する。

老朽化した市民病院(「大阪市立住吉市民病院」、大阪市住之江区)の統廃合に伴い、民間病院が跡地に誘致されることが決まっていた。2013年の橋下徹前市長時代の話だ。ところが、この民間病院の新病棟建設ができなくなった。日影(日照権)規制に引っ掛かり、既定の病床数(209床)を満たす大規模病棟建設が法的に認められないからだ。

 

・いったい何をやっていたんだ!

毎日新聞などの各紙では、「民間病院側の設計ミス」で日影規制に引っ掛かったと報じているが、これは事実と異なる。民間病院のミスではなく、市行政の過失が原因である。

大阪市健康局は跡地の指定区域に、日影規制で、209床もの大規模病棟を建てられない予見可能性をもちながら、この民間病院の提案スキームを2015年8月に受け入れた。日影規制の障壁があり、新病棟建設ができないということを、健康局が吉村洋文市長(橋下氏の後継者)に報告したのがなんと、1年後の2016年9月である。「1年間、いったい何をやっていたんだ!」という話である。議会には、11月まで報告はなかった。

この1年間、厚生労働省の認可を得たり、市民病院の府立病院への統廃合の予算を通したりしている。しかし、結局、指定区域に新病棟が建てられないという結果となり、当初のロードマップに大きな狂いが生じはじめ、小児・周産気医療の空白という事態が避けられなくなっている。このゴタゴタの中で、民間病院側が誘致計画そのものから撤退する可能性も指摘されている。そうなれば、全てが振り出しに戻る。

この大阪市の地域(住之江区など)の小児・周産気医療の主要な部分を市民病院が担っていた。医療空白が生じれば、それらの小児・周産気医療を代替する医療機関はこの地域からなくなってしまう。これは地域住民にとっての大きなリスクだ。

 

・市が過失を認める

この3月の市議会で、自民党の山本長助市議がこの問題を徹底追及した。山本市議の調査によって、市の健康局が市民病院の跡地で、タイトな日影規制が掛かっていることを以前から認識していたことを裏付ける書類も出てきた。

当初、吉村市長も健康局も、上記の民間病院の建設スキームの選定に対し、日影規制を認識していなかったと主張していた。しかし、山本市議の手厳しい追及もあり、3月17日の市議会民生保健委員会では、吉村市長が「日影規制を知り得る機会があった」と答弁。

また、市は一連の経過について内部調査を実施し、その報告書で「選定段階で図面提出が義務づけられていなかったことに起因する」として、上記民間病院を選定した市に過失があることを認めた。

 

・大阪はメチャクチャ

今後は、この行政過失がどのような背景から生じたのかを情報開示させるとともに、どこに責任が帰属するのかを明らかにしなければならない。

東京をはじめ、他の府県の皆様に、我々のこの大阪の問題が分かって頂けただろうか。大阪府庁は「森友学園問題」、大阪市役所は「市民病院跡地問題」をそれぞれ抱えている。今、大阪はもうメチャクチャだ!

行政が怠慢で不作為、意思決定がズサン。こうしたことは豊洲問題を抱える東京都庁も同じであろう。行政機構におけるガバナンスがまるで利いていない。怠慢な文学者気取りの知事やポピュリズム市長に加え、行政のチェックもできないバカ議員を選んだ有権者が結局、こうしたツケを払わされる。そして、役人たちは大手を振って、「役人天国」を満喫し続ける。

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